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看護師辞めたいと思ったら読む記事|後悔しない4ステップの考え方

公開: 2026年6月7日

看護師辞めたいと思ったら読む記事|後悔しない4ステップの考え方

「看護師を辞めたい」と思うのは、甘えではありません。 労働組合の調査では、看護師の約8割が「辞めたい」と感じた経験を持つと報告されています。

ただし、ひとつだけ先にお伝えしたいことがあります。もし**眠れない・涙が止まらない・「消えてしまいたい」**といった状態が2週間以上続いているなら、転職を考える前に、まず受診・休職を優先してください(→ステップ2)。

「もう限界かもしれない。でも辞めていいのか、続けるべきなのか分からない」——そんなふうに迷っている方へ。この記事では、衝動退職も我慢しすぎも避けるための4ステップの考え方を、現場15年の経験をもとに整理します。今すぐ決断しなくてかまいません。一緒に考えていきましょう。


辞めたいと思うのは甘えじゃない。でも「全員が転職すべき」でもない

日本医療労働組合連合会(日本医労連)の2022年調査では、「いつも辞めたいと思う」が24.0%、「ときどき思う」が55.2%で、合わせると約8割にのぼります(労働組合による調査のため、ひとつの目安として)。この数字を見ると、辞めたいという感情が看護師にとってどれだけ身近なものかがわかります。

だからこそ、はっきり言います。辞めたいと思うことは、あなたの弱さや甘えではありません。

一方で、「辞めたいという感情=今すぐ転職すべき」とも限りません。感情は現状へのSOS信号であって、必ずしも「この職場が終わり」を意味するわけではないからです。

大切なのは、その感情の正体を丁寧に見極めること。それがこれからお話しする4ステップです。


ステップ1|まず「なぜ辞めたいのか」を言葉にする

感情のまま動く前に、辞めたい理由をできるだけ具体的に言葉にしてみましょう。理由が明確になると、解決策も変わってきます。

ある民間調査(日本労働調査組合・2021年、回答者536名の参考データ)では、看護師が辞めたい理由の上位は次のとおりでした。

日本医労連の2022年調査でも、**人手不足(58.1%)と賃金(42.6%)**が主要因として挙がっています。調査によって順位は前後しますが、「給与・人間関係・精神的な負担・人手不足」あたりが共通して上位に来ます。

こうしてデータを見ると、「自分だけがつらいわけじゃない」と少し楽になるかもしれません。同時に、「自分はどれが一番大きいだろう?」と考えるヒントにもなります。

自分に問いかけてみてください

この問いに答えるだけで、次のステップが見えやすくなります。


ステップ2|心身の限界サインを見極める(※これを飛ばさないでください)

4ステップの中で、ここが最も重要です。

「職場を変えるか変えないか」よりも前に、まずあなたの体と心が今どんな状態にあるかを確認してほしいのです。

こんなサインが2週間以上続いていませんか?

これらのサインが続いているなら、転職を考える前に、受診・休職を最優先してください。

「バーンアウト(燃え尽き症候群)」という言葉があります。これは病気の診断名ではありませんが、「感情が枯れ果てた状態・患者さんに無関心になってしまう・やりがいを感じられなくなる」といった形で現れる状態を指します。自分ではまだ「大丈夫」と思っていても、実はすでに限界を超えていることがあります。

上記のサインが重なっているとき、それがうつ状態などのサインである可能性もあります。ここで自己判断はせず、医師に相談して確かめることが大切です。

休職という選択肢

職場を辞める前に、傷病手当金を使って休職するという選択肢があります。健康保険から給与の約2/3が支給される制度で、2022年1月の改正により、復職と再休職を繰り返した場合でも通算で1年6ヶ月分まで受け取れるようになりました(詳細は勤務先の総務・健康保険組合・社会保険労務士にご確認ください)。体を立て直してから次を考えても、決して遅くありません。

相談できる窓口

一人で抱え込まないでください。

窓口電話番号対応時間
よりそいホットライン0120-279-33824時間(深夜・早朝もOK)
日本看護協会 看護職のための相談電話0120-543-556月〜土 13〜19時
こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556主に平日日中(都道府県により異なる)
いのちの電話0120-783-556毎日16〜21時(毎月10日は8〜翌8時)

(窓口情報は2026年6月時点。夜勤明けや深夜に「消えたい」と感じたときは、24時間対応のよりそいホットラインを頼ってください。)

電話が難しければ、かかりつけ医への受診だけでも構いません。


ステップ3|今の職場で変えられることはあるか

心身が安定している、あるいは受診・休職で回復しつつある状況なら、次に考えることは「今の職場で解決できる問題か」です。

変えられる可能性が高いこと

変えにくいこと

人間関係について正直に言うと

人間関係が主な理由の場合、転職先でも似たような問題が起きる可能性はゼロではありません。「職場を変えれば解決する」と思って動いた結果、また同じパターンにはまることもあります。

一方で、「今の職場の特定の人物との相性が悪い」だけであれば、異動や転職で明確に改善することも多いです。「人間関係全般が苦手なのか、今の環境だけの問題なのか」を区別して考えてみてください。


ステップ4|転職を正しく使う

ここまでのステップを踏まえて、それでも「転職しよう」と決めたなら、正しく・焦らず動くことが大切です。

今は看護師の「売り手市場」

2024年度のナースセンター集計によると、看護師の有効求人倍率は2.51倍(訪問看護は4.54倍)です。1倍を超えると求職者が有利とされる中、2倍以上は求人が多い状況といえます。

もちろん、地域・経験年数・希望条件(夜勤可否やブランクの有無)によっては時間がかかることもあります。それでも全体としては「辞めたら次がない」という市場ではありません。だからこそ、焦って衝動的に辞める必要もないのです。

日本看護協会の2024年病院看護実態調査(2026年3月公表)では、正規雇用看護師の離職率は11.0%。世間で言われるほど「みんな辞めている」わけではなく、続けている人も多いのが実情です。

在職中に動くのが基本

収入の空白を作らないためにも、辞める前に転職活動を始めるのが鉄則です。「辞めてからゆっくり探す」は、精神的にも経済的にも余裕をなくす原因になります。

転職活動が怖いと感じている方は、転職活動の失敗と対策も参考にしてください。

退職のルールを正確に知っておく

法律(民法627条)では、無期雇用(正社員)の場合、退職の申し入れから2週間で退職できます。使用者の同意は不要です。ただし、これはあくまで「法律上は」の話。

実際には、就業規則で「1〜2ヶ月前の申し出」を定めている職場がほとんどです。引き継ぎや有給消化(労基法39条の権利)のことも考えると、余裕を持ったスケジュールで動くほうが現実的です。

お金の面も知っておきましょう。自己都合退職の場合、雇用保険の失業給付には「給付制限」がありますが、2025年4月の改正で、給付制限は原則1ヶ月に短縮されました(過去5年以内に3回以上の自己都合退職がある場合は3ヶ月)。これに加えて7日間の待機期間があります。正確な条件は最寄りのハローワークでご確認ください。

なお、職場に退職を言い出しにくい場合は「退職代行」という選択肢もあります。弁護士が運営するサービスは未払い賃金などの法的な交渉まで可能ですが、一般の民間業者は「退職の意思を伝える連絡の代行」までで、会社との交渉はできません(労働組合運営型は中間的な位置づけ)。利用する場合は運営主体を必ず確認してください。

夜勤がつらい方へ

夜勤の負担が転職を考える主な理由なら、日勤のみの職場(クリニック・デイサービス・産業看護師など)を視野に入れると選択肢が広がります。詳しくは看護師の夜勤がつらい・辞めたいと感じたらをご覧ください。

転職サービスは無料で使える

看護師向けの転職サービス(転職エージェント)は、求職者(看護師側)は無料で利用できます。法令上、有料職業紹介事業者は原則として求職者から手数料を取れない仕組みになっており、料金は採用した医療機関側が支払うためです。

どのサービスを選ぶかで、紹介される求人の質や担当者の対応がかなり変わります。複数サービスの特徴と使い方は看護師転職サービスの選び方・比較にまとめていますので、参考にしてください。


環境を変える選択肢を、知っておくだけでも

今すぐ辞めなくても大丈夫です。ただ「どんな求人があるか」を知るだけで、心が軽くなることもあります。情報収集は無料ででき、匿名で進められるサービスもあります。

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より詳しい比較は看護師転職サービスの比較記事もご覧ください。

【現場コラム】衝動で辞めた人も、我慢しすぎた人も、両方見てきた

看護師・介護福祉士として現場に15年いると、さまざまな同僚・後輩を見てきました。

ある人は、ある夜に「もう限界」と感じて翌朝に退職届を出しました。転職先は決まっていなくて、しばらく無収入の期間が続きました。「あのとき少し待てばよかった」と後から話してくれました。

別の人は、限界を超えても「迷惑をかけたくない」と出勤し続けて、ある日病欠が続いてそのまま退職になりました。もっと早く休職の話をしてほしかったと、今でも思います。

どちらも責めているわけじゃないし、どちらも「そうするしかなかった」事情がありました。ただ、もし少し立ち止まって考える時間があったなら——そう感じることは正直あります。

辞めることが悪いわけじゃない。でも、決断は焦らないほうがいい。そのために、このステップが少しでも役立てばと思っています。

※プライバシーに配慮し、複数の経験をもとに個人が特定されない形で再構成しています。


まとめ|今すぐ決めなくていい

4ステップをおさらいします。

  1. 理由を言語化する——なぜ辞めたいのかを具体的な言葉にする
  2. 限界サインを見極める——心身のサインがあれば受診・休職を最優先(相談窓口を使う)
  3. 今の職場で変えられるか考える——変えられることとそうでないことを仕分ける
  4. 転職を正しく使う——在職中に動く・法律を知る・焦らない

看護師の有効求人倍率は2.51倍。あなたには時間的な余裕があります。今すぐ決めなくていい。 ただ、心身の限界サインだけは、早めに対処してください。それだけは急いでほしいと思います。

もし転職も視野に入ってきたら、いきなりサービスに登録する前に、「譲れない条件」を3つだけ書き出してみてください(例:夜勤の有無・通勤時間・人間関係)。それが決まると、自分に合うサービスや職場が選びやすくなります。各サービスの特徴は看護師転職サービスの選び方・比較にまとめているので、条件が整理できたら参考にしてみてください。


執筆者プロフィール

宮田浩行|看護師・介護福祉士
現場歴15年(看護師8年)。医療・介護の現場で働きながら、現場目線の医療ライターとして活動中。


主な参考資料

※制度・統計・窓口情報は2026年6月時点で確認できた内容です。最新の条件は各公式情報をご確認ください。


看護師の働き方・転職シリーズ(あわせて読みたい)

働き方に悩む看護師さんへ、現場15年の目線でまとめています。

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