宮田浩行 宮田浩行 ブログ
未分類

看護師・介護職の新NISA入門【2026年版】|月3,000円から無理なく始める

公開: 2026年6月11日

看護師・介護職の新NISA入門【2026年版】|月3,000円から無理なく始める
※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資・金融商品の購入を勧誘するものではありません。 投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

「投資は余裕のある人がやるもの」——そう思って後回しにしてきた方に読んでもらいたい記事です。

新NISAは、金融機関によっては月100円からでも使える制度です。ただし、元本保証はありません。増える可能性もあれば、減る可能性もある。それが投資というものです。

この記事の目的は「今すぐ始めましょう」ではありません。制度の仕組みを知ることで、選択肢が増える。それだけで十分な価値があります。難しい計算や判断は、読み終えてからゆっくりどうぞ。


新NISAを3行でまとめると

① 通常は利益に約20%かかる税金が、NISA口座内では非課税になる制度です
② 年間360万円まで投資でき、生涯非課税で保有できる上限は1,800万円です
③ いつでも売却できますが、損失が出る可能性もあります

やってはいけない3つのこと

① 生活費を削って投資しない(生活防衛資金が先です)
② 「今だけ」「急いで」と言われて一括投入しない
③ SNSやアプリで届く「儲け話」に乗らない


1. 制度を1分で理解する——通常の投資と何が違うのか

税金の話から入ります

株や投資信託で利益が出ると、通常は約20.315%の税金が引かれます。

たとえば10万円の利益が出たとき、手元に残るのは約7万9,685円です。およそ2万円が税金として差し引かれる計算になります。

NISA口座を使うと、この税金が非課税になります。10万円の利益はそのまま10万円として受け取れます。長期間にわたって積み立てた場合、この差は無視できない金額になるとされています。

枠の構造

新NISAには2種類の枠があります。

合わせると年間360万円、生涯の非課税保有上限は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。非課税で保有できる期間は無期限。18歳以上であれば利用できます。

投資した資産を売却した場合、その売却分の簿価(取得価額)に相当する非課税枠は翌年に復活します(金融庁の制度設計に基づきます)。

2027年1月から変わること(2025年12月閣議決定)

現行制度からの変更点として、以下の3点が決定されています。

  1. こどもNISAの創設——0〜17歳を対象に、年間60万円まで非課税で投資できる制度
  2. 売却した枠が同じ年のうちに復活する仕組みへの変更(現行制度では翌年に復活。詳細な適用条件は施行前に金融庁の最新情報をご確認ください)
  3. つみたて投資枠に債券型ファンドが追加される

制度は変化することがあります。利用前に金融庁の公式情報を確認することをおすすめします。


2. 看護師・介護職の給与と「夜勤手当の使い道」という考え方

公的データで見る現場の実態

看護師の平均年収は約519.7万円とされています(令和6年賃金構造基本統計・厚生労働省)。

介護職員は、常勤の平均月給が約33.8万円、そのうち基本給は約19.3万円という数字が出ています(令和6年度介護従事者処遇状況等調査)。

正直なところ、これらは全国平均です。施設の種類や地域、経験年数によって給与は大きく異なります。「自分はこれより低い」と感じる方も多いでしょう。

夜勤手当を「変動収入」として考える

日本看護協会「2024年病院看護実態調査」によると、夜勤手当の平均は三交代制で準夜勤1回あたり約4,600円・深夜勤約5,700円、二交代制では1回あたり約1万2,000円です。月にすると3〜5万円程度の上乗せになる人が多い計算です。

夜勤手当は「あてにならない収入」ではなく、「体を使って得た変動収入」です。基本給とは別に管理して、その使い道を決めておく方法は、家計管理の面で合理的だという考え方があります。

体力勝負だからこそ「選択肢」を持つ

ここからは、私が現場で聞いてきた声を、個人が特定されないようにまとめた複合的な事例として紹介します。

ある介護職員の方が話してくれたことがあります。「若いころは夜勤も平気だったけど、40代になってから体がきつくなってきた。でも夜勤を減らしたら給料が下がる。それが怖くて辞められない」と。

別の看護師の方は、「お金がない、お金がない」が口癖だったそうです。ある日、月5,000円だけ積立を始めた。増えた減ったより、「毎月少しずつ積まれていく」感覚が、家計への意識を変えたと話していました。夜勤を続けられるか不安だったからこそ、「収入が変わっても生きていける選択肢」を持つことが、むしろ気持ちを楽にしたと言っていました。

夜勤がつらくなったとき、転職や働き方の変更を考える前に、自分の選択肢がどれくらいあるかを知っておくことは大切だと思います。

夜勤がつらいときの選択肢
看護師を辞めたいと思ったら


3. 生活防衛資金が先——月3,000円スタートの設計例

投資より先にやること

NISAを始める前に必要なのが「生活防衛資金」です。

一般的には生活費の3〜6ヶ月分を、すぐに引き出せる普通預金などに置いておくことが、多くの家計管理の専門家が推奨していることです。これは急な病気・怪我・失業などに備えるお金です。

生活防衛資金がない状態で投資を始めると、急に現金が必要になったとき、相場が下がっているタイミングで売らざるを得なくなる可能性があります。

月いくらから始めるか——あくまで参考例

以下はあくまで参考例であり、推奨金額ではありません。個々の生活費・収入・家族構成によって適切な金額は異なります。

月の積立額年間積立10年間の積立元本(参考)
3,000円3.6万円36万円
5,000円6万円60万円
1万円12万円120万円
3万円36万円360万円

※上記は単純な積立元本の計算です。実際の運用結果は市場の動きによって変わります。増える場合も減る場合もあります。運用後の想定額をあえて載せていないのは、将来の運用成果は誰にも保証できないためです。

月3,000円は1日100円の計算です。「このくらいなら家計への影響が少ない」と感じる金額から始めるのが、長続きするコツだとされています。

自動積立という仕組みの利点

証券口座の自動積立設定を使うと、毎月決まった日に自動的に積立が実行されます。

夜勤明けで疲れているとき、忙しい業務の合間に、毎回「今月はどうしよう」と考えなくていい。これは、医療・介護職にとって現実的なメリットだと思います。「考えなくていい仕組みを作る」という発想は、資産形成の継続においてよく言われる考え方です。


4. 口座の開き方3ステップと金融機関の選び方

基本の流れ

NISA口座を開設する大まかな流れは以下のとおりです。

ステップ1:金融機関を選ぶ
銀行、証券会社(対面・ネット)など複数の選択肢があります。NISA口座は1人1口座のみ開設できます(金融機関をまたいで複数持つことはできません)。一度選んだ金融機関は年単位での変更になるため、慎重に選ぶことが推奨されています。

ステップ2:必要書類を用意して申請する
マイナンバーカードまたは通知カード、本人確認書類が一般的に必要とされます。オンラインで完結できる金融機関も多いとされています。

ステップ3:税務署の確認を経て口座が開設される
申請から口座開設まで、数日から数週間程度かかります(金融機関・申請方法によって異なります)。

金融機関の選び方

特定の金融機関を推奨する立場ではありませんが、一般的に言われていることを整理します。

金融機関が金融庁に登録されているかどうかは、金融庁の「金融商品取引業者等検索」で確認できます。登録のない業者との取引は、法律上の保護が受けられない可能性があります。


5. リスクの正直な話——損しない制度ではありません

価格は必ず動く

NISA内で買った投資信託や株は、価格が変動します。購入時より下がることもあります。「非課税」という特徴は、利益が出たときに税金がかからないというものです。なお、NISA口座で出た損失は、一般口座・特定口座の利益と損益通算ができません(制度上の決まりです)。損失が出てもその分を税負担の軽減に使えない点は、知っておいてください。

暴落時に何もしないが、実は難しい

長期積立で最も難しいのは、相場が大きく下がったときに売らずに保有し続けることだとよく言われます。

「なんで積立なのに減ってるの?」という感覚は、始めた直後に暴落を経験した多くの人が感じることです。このときに売却してしまうと、「安値で買い続けていた分」が消えるとされています。ただし、暴落がそのまま回復しない可能性もゼロではありません。

資産運用に絶対はありません。「長期・積立・分散」が有効とされているのは、リスクを完全に消すためではなく、リスクを時間的・資産的に分散するためです。

NISAとiDeCoの違い

似た制度として**iDeCo(個人型確定拠出年金)**があります。3つの軸で比較します。

比較軸NISAiDeCo
引き出しの自由度いつでも可能原則60歳まで引き出し不可
税の仕組み運用益が非課税掛金が所得控除+運用益非課税
向く用途中期〜長期・いざというときにも使いたい老後資金として確実に積みたい

iDeCoは2026年12月に制度改正があり、企業年金のない会社員の場合は掛金上限が月6.2万円に引き上げられる予定です(2027年1月適用予定)。ただし上限は職種や勤務先の年金制度によって大きく異なるため、詳細は国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)や勤務先の制度をご確認ください。

どちらが「いい」ではなく、目的や状況によって使い方は変わります。


6. SNS投資詐欺の急増と、医療・介護職が狙われる理由

数字で見る被害の現状

令和6年(2024年)の警察庁の統計によると、SNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は10,237件(前年比約2.7倍)、被害総額は約1,272億円で、いずれも過去最高水準です。1件あたりの被害が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

この数字は、被害に遭った人だけの話ではありません。狙われた人、惜しくも踏みとどまった人を含めると、はるかに多くの方が「話を聞かされた」状況にあるはずです。

医療・介護職が狙われやすい理由

これは脅かしではなく、実際にそういう傾向があるとされています。

また、医療・介護の職種を詐欺師が名乗ることもあるとされています。「同じ看護師同士だから信頼できる」という心理を悪用するケースです。

見分け方3つ

① 「必ず儲かります」は、法律で禁じられた言葉です

金融商品取引法では、断定的判断の提供(「必ず儲かる」「元本保証」など)は禁止されています。この言葉を使ってくる相手は、正規の金融業者ではない可能性が高いとされています。

② DM・マッチングアプリ・LINEグループ経由の投資話は、まず疑う

正規の金融機関が、SNSのダイレクトメッセージや出会い系アプリを通じて個人に投資を勧誘してくることは、通常ありません。「友達から紹介された投資グループ」も例外ではなく、まず疑ってかかるのが安全です。

③ 金融庁の登録業者検索で確認する

相手の会社・業者名を金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で検索できます。登録がなければ、その時点でかかわるべきではないとされています。

「おかしい」と思ったら

すでに被害に遭った可能性がある場合は、警察(#9110または最寄りの警察署)への相談が有効とされています。


7. まとめ——「知っている」が選択肢を増やす

医療・介護の現場は体力と精神力を使います。10年後も同じ働き方を続けられるかどうか、正直わからない方が多いと思います。

新NISAを知ることは、「今すぐ投資しなければならない」ということではありません。制度を知っておくことで、「いつでも始められる」状態になることが目的です。

今日の読者に一つだけ伝えるとすれば、これです。

選択肢を持つこと自体が、働き続けるための安心につながることがある。

夜勤を続けるかどうか、転職するかどうか、ケアマネに移るかどうか——そういう判断をするとき、「お金の選択肢がある人」と「ない人」では、見える景色が少し違うかもしれません。


次のステップ

まず金融庁の公式サイトでNISAとは何かを確認してみてください。口座開設は急がなくていいです。「制度を知っている状態」になること、それが最初の一歩です。

金融庁NISA特設ウェブサイト:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/


免責事項

この記事は2026年6月時点の情報に基づく制度紹介を目的としており、特定の金融商品・金融機関の購入・利用を勧誘・助言するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。税務上の扱いは個別の事情によって異なります。資産運用に関する最終判断はご自身の責任において行い、必要に応じて登録金融機関・税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。税制・制度の内容は変更になる場合があります。最新情報は金融庁・厚生労働省などの公式情報をご確認ください。


主な参考資料


執筆者プロフィール

宮田浩行(みやた・ひろゆき)

看護師・介護福祉士。医療・介護の現場で約15年の経験を持つ医療ライター。この記事は現場で同じように働いてきた者としての視点で書いています。金融の専門家ではありません。制度の解釈や運用については、必ず公式情報および専門家にご確認ください。

X(旧Twitter):@miyata8hiroyuki

あわせてどうぞ